観光庁がこのほど発表した訪日外国人消費動向調査の結果、2017年1~3月期の訪日外国人の旅行消費額(速報値)は、前年同期比4・0%増の9679億円だった。旅行者数の増加を受けて消費額は増加したが、1人当たりの旅行支出は、16年1~3月期以降連続のマイナスとなる同8・5%減の14万8066円だった。市場別では、中国が買い物支出の減少などで1人当たり旅行支出、旅行消費額ともに前年同期の実績を下回った。
中国の消費額は、4・7%減の3718億円だった。訪日外国人の消費額全体に対する構成比は3・5ポイント減の38・4%。1人当たりの旅行支出は14・9%減の22万5489円となった。
中国の1人当たりの旅行支出のうち買い物代は11万9909円で、主要20市場で最高額だが、前年同期に比べて15・1%の減少だった。観光庁では、買い物支出の減少要因について為替レートの影響、越境ECの拡大などを挙げている。
台湾は消費額が0・4%減の1334億円、1人当たり旅行支出が3・8%減の12万9045円とそれぞれマイナス。韓国は消費額が19・1%増の1180億円とプラスだが、1人当たり旅行支出は4・1%減の6万8856円。香港も消費額は2・8%増の801億円だったが、1人当たり旅行支出は8・3%減の16万3229円となった。
台湾、韓国、香港の旅行支出の減少に関して観光庁は要因を分析中。いずれの市場も消費額が低い20代などの若年層の訪日が増加しているためではないかとみている。
東アジア4市場に次いで消費額が大きいのは米国。1人当たりの旅行支出が7・3%増の15万8187円で、消費額が20・9%増の463億円となった。米国をはじめ欧州や豪州は、東アジアの市場より宿泊への支出が高い傾向にある。
消費額全体を費目別にみると、買い物代が3748億円(全体に対する構成比38・7%)、宿泊料金が2543億円(同26・3%)、飲食費が1913億円(同19・8%)、交通費が1065億円(同11・0%)、娯楽サービス費が375億円(同3・9%)だった。